3歳半検診で場面緘黙症・母子分離不安を指摘された娘・もっちは幼稚園の入園を1年遅らせて年中さんから幼稚園へ通うことになりました。そして2年目のプレ保育に突入したのですが、そのプレ保育で娘の母子分離不安が大爆発してしまったのです。
前回のお話はこちらからどうぞ。
我が家の不登校物語①~場面緘黙症・母子分離不安の可能性を指摘された日~
プレ保育は1年目と2年目で目的が違う
娘が通う予定の幼稚園では入園前に幼稚園での生活の一部を体験できる未就園児教室があり、そのプレ保育に娘・もっちは週に一度のペースで通っていました。
プレ保育の内容はだいたい決まっていて、まず手遊びや体操、そのあとに制作、最後は絵本や紙芝居を見るという流れ。何かを作ったりするのが好きな娘はこのプレ保育をとても楽しみにしていて、毎週楽しく通っていたのですが、2年目のプレ保育は1年目とは目的が違いました。
1年目のプレ保育の目的は「幼稚園に慣れること」。新しい環境や集団行動に慣れることを目的としており、親子が引き離されることはなく一緒に楽しむという感じでした。
しかし2年目のプレ保育の目的は「親子分離」。親はあくまで付き添いという立場で後ろから見守るスタイル。しかも途中からは別室に移動することになっていました。
この目的の違いでプレ保育が娘にとって苦痛なものになってしまったのです。
初めての行き渋り!親子分離に苦戦し大号泣

3歳半検診で場面緘黙症・母子分離不安の可能性を指摘された娘ですが、正直そこまで真剣に悩んでいたわけではありませんでした。1年目のプレ保育は楽しく通えていたし、お友達とも楽しそうに遊んでいたので「本当に場面緘黙なのかな?」と疑ってしまうことも。また、心理相談員さんとの面談の中で通院や療育の必要性はなく、あくまでも成長を見守っていきましょうというスタンスだったのでどこか安心していたのかもしれません。
しかし、2年目のプレ保育で娘の場面緘黙症・母子分離不安が大爆発しました。
2年目のプレ保育はまず担当の先生に挨拶。そして自分の名前を告げて先生から名札を受け取るのがルールなのですが、娘はその段階からつまずいてしまいました。挨拶ができない、名前も言えない。事前に場面緘黙の相談をしていたので無理強いされることはありませんでしたが、初日から前途多難な予感がプンプンしていました。
それでも最初の1~2カ月は楽しく通えていたのですが、3ヵ月目に突入するといよいよ親子分離が始まり、制作の時間になると親は別室に行くよう促されました。すると娘は私にしがみつき大号泣。私が別室に行くことを断固拒否しました。まあ、拒否されることはなんとなく察していたので大して驚きもしませんでしたが、この日をきっかけに娘の行き渋りがスタートしました。
まあ、行き渋りといっても「幼稚園行きたくないなあ」とボヤくくらいのかわいいものだったので、頑張ったご褒美にお菓子(電子レンジで作る系のお高めのやつ)を買ってあげると約束をしてなんとか毎週プレ保育へ連行していました。
涙、涙の分離成功!幼稚園入園への大きな自信に

分離に苦戦している親子は私たち以外にも数人いたのですが、回を重ねるごとに減っていって、結局最後まで残ったのは私たち。想定の範囲内とはいえさすがに落ち込みました。周りの子と比べちゃダメだと分かっているのに、どうしてうちの娘だけ出来ないんだろうとメソメソしてしまったことも。それでも娘は娘なりに頑張っているんだと自分に言い聞かせて通い続けました。
娘が私と離れられない理由はやっぱり先生とコミュニケーションがとれないというところが大きかったのかなと思います。他のママたちは「寂しくなったらすぐ戻ってくるから先生に言ってね」と子どもたちを説得していたのですが、私の娘はママに戻ってほしくてもそのことを先生に伝えることができません。気持ちを伝えるすべがないということはかなり大変なのだなと実感しました。
それでも三学期になると娘はだんだんプレ保育に慣れてきたのか「ママがいなくても大丈夫かも」などと言う日が増えてきました。チャレンジしてみようと背中を押したい気持ちはありましたが、娘の性格的に無理強いするとよくない気がしたので「もっちが大丈夫って言うまで絶対に行かないよ」と安心させて、娘からゴーサインが出るのをひたすら待ちました。そしてついにプレ保育も残り2回という段階にきて、やっと分離に成功したのです。
娘が不安そうな表情をしながらも「ママ大丈夫、行っていいよ」と言ってくれた日のことを私は一生忘れないでしょう。娘に笑顔で手を振って部屋を出た瞬間、涙が止まらなくなっちゃいました。別室にいた他のママたちも「おめでとう」と出迎えてくれて、そこでまた涙。帰りに先生から「もっちちゃんもママもよく頑張ったね」と褒められてまた涙。とにかく涙涙の一日でした。他の子よりもだいぶ時間はかかってしまったけど、幼稚園入園に向けて大きな自信となりました。
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